古今洋歌集

…力をも入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をも哀れと思はせ、男女の仲をも和げ、猛き士の心をも慰むるは、それ歌なり。
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大国主と,根國の琴

オルフェと日本神話イザナキの冥界訪問の類似は、よく知られている。
「亡き妻を追って冥界へ行き妻を取り戻すが、もうひと息のところで
 振り向いてしまい、永遠に妻を失う」という筋立てだ。

しかし、ハープと冥界に関連する日本神話は、もうひとつある。
それが、オオクニヌシ(大国主命)の根國(冥界)訪問だ。

スサノヲの子孫とされるオオクニヌシは別に4つの名(オオナムヂ・アシハラシコヲ・
ヤチホコ・ウツシクニダマ)を持つ神で、多くの兄神がいた。
稲羽(因幡=鳥取)に、美女(ヤガミヒメ:八上比賣)がいるというので、
兄らと共に求婚に行くが、末弟であるオオクニヌシ(この時点はオオナムヂ)は
兄らからさんざんに虐められる。
稲羽に着き裸兎を助ける話
も、ここにある。

ナムヂ(オオクニヌシ)の試練

で、美女は、兄神たちの求婚を断り、オオクニヌシに嫁ぐと云ったため、
兄らはオオナムヂを二度も殺すが、祖神(サシクニワカヒメ)の願により甦る。
このままではホントに子孫の命がなくなると、オオナムヂに
「あなたはスサノヲが統べる根國(黄泉)に行きなさい」と命じる。

根國に着くと、美女(スセリビメ:スサノヲの娘)がいたので、たちまち契って夫婦に。
ヒメが、父の大神スサノヲに事後報告に行ったところ
「おいおい、あいつは中ッ國の醜男(ぶおとこ=強い男)と呼ばれてる奴だぞ」と云い、
さまざまな試練を与える。蛇がうじゃうじゃいる部屋に寝かされたり、
野原に行かされ周囲から火をつけられたりするが、妻の助けで切り抜ける。

そのうち、大神スサノヲは寝てしまう。で、オオナムヂは、大神の髪を
部屋の垂木に結びつけ、石で戸を塞ぎ、長居は無用と夫婦でスタコラ逃げ出す。
妻を背負い、さらに、スサノヲの太刀と弓矢と琴(天の詔琴:アメノノリゴト)を持って。

が、琴が樹に引っ掛かって大地が揺れたため、大神は目を覚ます。さあ、大変だ。
大神はガバと起き部屋を引き倒し、追ってこようとするが、髪をほどいている間に、
ふたりは遠くまで逃げおおせ、ついに黄泉比良坂(ヨモツヒラサカ:冥界と現世との
境界)を越える。ここが、イザナキの話と異なるところだ。

そこでスサノヲは
「ならば、その武器で兄神らを平伏させよ。娘を正妻とし、オオクニヌシと名乗って、
 出雲に宮殿を建て、そこを治めよ。コイツめっ」と。

この話が示しているのは…

太刀と弓矢は、武力政治権力の象徴、琴は宗教的権威の象徴だ。
それがオオクニヌシに与えられたことは、彼のチカラが正統であることを示す。
また、これが地中に由来することから、オオクニヌシが天津神の系統とは異なる
國津神(土着農耕神)であることを示すもの、と解釈されている。

ところで、稲羽の美女ヤガミヒメはどうしたかと云うと、
約束どおりオオクニヌシの妻となり、子神をもうけるのだが、
正妻の嫉妬をおそれて、そっと妻の故郷へ帰してしまう。むべなるかな。


このオオクニヌシは、その後も多くの妻を娶り子神を生む英雄である。
ジョージ・ルーカスが「スターウォーズ」の基本構想に、この人の説を採り入れた
と云われているのが、米国人ジョセフ・キャンベル
名著「千の顔を持つ英雄」では、古今東西のヒーロー譚を比較研究し、
いかなる英雄伝説も、3段階の基本構造があることを発見した。

それが、「分離・旅立ち(セパレーション)」⇒
「通過儀礼・試練(イニシエーション)」⇒「帰還(リターン)」だ。

オオクニヌシ神話で云えば、兄からの虐め・稲羽への旅が、第1段階。
死と蘇生・根國での試練が、第2段階。
美女と宝物を持ち帰り、國を治めるのが、第3段階だ。

安彦良和の「ナムジ」
1989~1991年の作


◆福島県神社庁の⇒おもしろ神話講座
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