古今洋歌集

…力をも入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をも哀れと思はせ、男女の仲をも和げ、猛き士の心をも慰むるは、それ歌なり。
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鋼琴愛

ピアノはかって洋琴とも記されたが、中国では鋼琴だとか。
鋼の秋も良かろうと、CD棚を掘り返しピアノものを探すが、
「もののあはれ」という日本の秋の趣に合う盤は少ない。

日本人はピアノ好きとの通説があって、その贔屓先も
ショパン、ドビュッシー、リスト、フォーレ、サティ
ミケランジェリ、サンソン・フランソワ、グレン・グールド
ビル・エヴァンス、キース・ジャレット、
ジョージ・ウィンストンとウィンダムヒル一派
坂本龍一、久石譲、加古隆、アキコ・グレース、綾戸チエ、原ひろみ、多士済済である。

お嬢様方の支持が多いからか、
「貴公子」と形容されて売り出される優男ピアニスト連が
ブーニン、ティボーテ、リチャード・クレイダーマン、近々ではマキシムと居て、
「ピアノの貴公子シリーズ」と銘打ち市場に出している業者商人もある。

話転じて、日本人より日本の心根を知るドナルド・キーンは、
20年ほど前に母国で「日本の文芸」について易しく講演し、
それが本となり日本語にも訳されている(「古典の愉しみ」大庭みな子訳)

キーン先生は徒然草を例に取り「日本の美学」として4つの価値を示している。

1. Suggestion … 暗示、ほのめかし、絶頂より「始め」と「終り」に心寄せる
2. Irregurality … 不均整、緩み、ばらつき、綻び、くずし、あえて完全を避ける
3. Simplicity … 簡素、侘び寂び、控えめ、ほのか
4. Perishability … 無常、うつろい、はかなさを愛でる

詩(短歌俳句)にも散文にも能歌舞伎狂言にも基層にこれらがあると。
さて、上記美学をふまえて私好みのピアノは

1. 音数が少ない(間がある)
2. 華麗な技巧アルペジオ、トリル、グリッサンドがない
3. 曲の構成がドラマティックでない(盛り上がらない)
4. 短く物憂い

を基準とする偏向なもので
これを最も感じるのは、ロジャー・イーノ(Roger Eno)となる。
彼のアルバムは弦楽器や歌とタイプの異なる曲を集めているので、
いくつかのCDから、ピアノソロを集めてCD-Rに焼いてみた。



1作目、1985年の「VOICES」で、題名にあらず歌なし。
兄貴ブライアンが、アンビエント音楽を盛んに出し
話題を集めた時期に紛れこっそりと出た。
エコー過多に処理されているのがもったいないか。
「もののあはれ」度は、松竹梅で云うなら梅か。



2作目、個性を明らかにした「BETWEEN TIDES」で
1986年録音(主にアビーロード・スタジオ)。
まるで小津映画のサントラのような、俗っぽさ清清しさ諦観が入交じる。
「もののあはれ」度は、竹かな。



3作目、じぶんでつくったレーベル(All Saints)から1992盤「THE FAMILIAR」。
ケイト・セントジョン(Kate St.John)との共作。
ピアノソロに近い曲はあまりない。なぜかビル・ネルソンのプロデュースだ。
「もののあはれ」度は、梅にしておく。



5作目、1994年盤「LOST IN TRANSLATION」。
どれも未完成な断片のふりをしながら聴者を無抵抗にしてしまう19曲を収録している。
「もののあはれ」度は、松としたい。
CDに焼いた曲はここから最も多く選んだ。

ウォン・ウィン・ツアンヴラディミール・コスマ、中川俊郎も1曲ずつ加えてみた。
愛国心首相が誕生した秋の夕暮れに、
かくて中年男はこっそり「物憂きピアノ愛」に浸る。相当キモいな。

「愛」について書くつもりが、そこまで辿りつけなかった。次回。

◆フジ子ヘミング1位、ユンディ・リ2位…あるサイトの好きなピアニスト投票(投票数2300)

◆ロジャー・イーノ ジャケット担当…ラッセル・ミルズ(Russel Mills)

◆徒然草の「もののあはれ」と「無情」…松岡正剛

1月5日生まれの3人…ミケランジェリ(1920)、ブレンデル(1931)、ポリーニ(1942)、

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